こんにちは!いよいよ梅雨が明け、夏が本格化してきましたね!
梅雨時期から一気に暑くなり、夏が近づいています。マイリルがオープンして早くも半年以上が過ぎました。
実はここしばらく私は結構深刻に悩んでいました。
私の思い描いていたカリキュラムや、方向性と、実際に今来てくれている生徒達との間に言葉にできないギャップや疑問を感じていたからです。
その答えを求め、とにかく色々な本を読み漁り、ようやくそのギャップを埋める答えが見つかり、実践に移すことができ、ブログを書こうと、久々にデスクに向かうことができました。
色々な本を読んだ中で、特に新しい切り口で、とても納得、共感した本が桑島隆二著「脇役になれない子供達」でした。内容の説明は割愛しますが、またどこかでまとめられたらいいなと思います。
メインテーマは、不登校になってしまう子供達の多くは「自分が特別じゃないのでは?」と疑う経験に出会い、それを適切に受け止めることができないままの子が多い。というものでした。
元・不登校経験者として、耳が痛く、読んだ後はとても悲しく、暗い気分になりました。
なぜなら思い切り図星だからです。
思えば私も自分が子供の頃思い描いていた「特別な人」になりたくて、なれなくて、お恥ずかしながら今も、もがいているように思えます(笑)
人より極端にできないことが多かった私は、「人よりできること」を探し、それでカバーすることで自分を保っていました。
その「人よりできること」も大したことじゃないと現実を知るときが学生時代には必ずあります。
そうなると「できない自分」がこれまで受けてきたトラウマが全て蘇り、「できていた自分」は全くの虚像だったのではないか、と足元が崩れ落ちるような感覚に陥ります。
マイリルに来る子達は「ダメな自分」を見せないように自分を大きく見せたがる子がほとんどです。勉強や、運動、自分が苦手なことは頑なにやりたがらず、得意な分野では競争したがり、苦手な分野では競争を避けます。
大人から見ると、とても「わがまま」で「甘やかされた」ように見える彼らですが、これは人間に備わった「自己防衛本能」なんです。裏を返せば子供達は「ダメな自分」をもう二度と見たくないほど耐え難い苦痛を味わったということです。
不登校の子の多くは、明日は行く、二学期は行く、と自分が「行けない」ことを認めたがらなかったり、コアな趣味にハマったり、政治や哲学のような難しい本を読みだしたりして、大人からすれば、「まず学校にいこうよ!」と言いたくなるような飛躍したことを言い出します。(かくいう私はアフリカのケニアのボランティアプログラムに行くと言い出しました^^;)
それを応援するのも良いですが、子供の「逃げたい」にどこまでも付き合うことになります。
そこでまた嫌なことがあれば、「今度は別のこと」となるのであまりおすすめはしません。では、どうすれば良いのでしょうか?
私の答えは、「その敵にもう一度挑むこと」です。
一度逃げてしまった敵から逃げ続けることはできません。その敵がもういないと信じられるまではずっと不安と隣り合わせです。逃げたくて逃げたくてたまりません。
一生守ってあげたいですが、社会にはそんな敵はうようよといて、自分で戦えるようになってほしいというのが親の願いだと思います。
もちろん子供達が成長して、たくましくなることでその敵をいつか倒せるかもしれません。
ですが私は、そこにもまたフリースクールの存在意義があると信じています。
「学校」というステージで倒せなかった敵が、レベルを下げたけど、似ている(先生、友達、勉強や授業がある)ステージで、きっとまた襲い掛かってきます。
今度は逃げないで倒せるでしょうか。
そこでもし倒せたら、怖かったけど挑むことができたら、そうすればそれらは本当の「自己肯定感」「自信」に繋がります。
ですが、もちろんそんなにうまくはいきません。
そこで、「特訓」が必要になります。学校では教えてくれません、そこまでサポートしてくれません「見えない敵」の苦しみに寄り添ってくれません。
でも、私達ならできます。
その敵の正体が何なのか知っている先生がいて、とにかく一人ひとり、一生懸命向き合います。
具体的に私達が最近特に効果を感じていることが、体づくりと認知力のトレーニングです。
室内アスレチックや、自作のトレーニング遊具で体を動かしながら、身体的に不器用さを抱えている子達、体を動かすことに苦手意識を持っている子供達に楽しく体を動かしてもらいます。
気持ちが前向きになり、集中力が高まります。
姿勢改善や体力の増加、「足が速くなった!」「こんなにできるようになった!」と嬉しそうに報告してくれます。
もう一つの認知力のトレーニングでは、見る力、聞く力、集中力、思考力、判断力といった認知機能の向上に有効な「コグトレ」と、見る力と読む力を強化する「ビジョントレーニング」を行っています。
こちらを実施してみると、「これが苦手なら学校が辛いよね!」と納得するほど勉強や、学校生活を送る上での素地となる力が歪な子が多いです。
勉強は嫌でもこちらはさほど拒否感がでないので、楽しんで取り組んでくれる子も多く、そこでまた褒められたり、自分の成長を実感することが学習への意欲につながるのではないかと考えています。
ゆっくりですが、確実にみんな成長しています。
私達もいつかこの子達が自分の敵と真っ向から向き合って、倒せる日が来るように、試行錯誤の日々です。
思い通りにならないことばかりでしたが、今、ようやく子供達の役に立てていると実感します。
マイリルは「一度は逃げた敵とまた戦えるような特訓ができる場所」に、そして本当の「正しい自信」を取り戻せるように、これからも精進していきたいです。私も絶対に子供達の未来を諦めたくはありません!
長くなってしまいました💦ここまでお読みいただきありがとうございました!!